先日の晩酌時、テレビに新世界の様子が映ったのを見て親父が突然、
「昔、新世界で競馬やっとった」
との発言であった。
俺の知る限り、若い頃から親父はいわゆる飲む打つ買うは一切してこなかった。
せいぜいが適度に飲んで適度にパチンコをやったくらいだ。
なので、親父が競馬をやっていたというのはかなり意外だった。
が、話をよく聞けばこうだ。
昔、新世界の喫茶店にU字型の競馬場を模した台があり、それで遊んだという。
馬は6頭おり、手元のハンドルをグルグル回してそれぞれ走らせるらしい。
「ほんなら、おもいっきり回したもんが一着やな」
「いや、ちゃう。回し過ぎたらコーナーで馬がこけんねん」
とのこと。
なんとも微笑ましいゲーム機ではないか。
俺の世代では電動で走る競馬ゲームがよくデパートの屋上などにあったが、親父はその前身で遊んだのだろう。
俺が競馬やパチンコに全く興味が無く、麻雀の役も知らないのは親父の影響によるところが大だろう。
よって、どれだけの金と時間を無駄にせずに済んだことか。
感謝しかない。