メニューが被らぬよう、親父が週二回通っているデイケアの昼食表を毎月始めにコピーしてもらっている。

ところが、親父と仲の良いK野さんは毎回施設に着くなり今日のメニューをチェックしに行き、

「○○はん、今日は唐揚げやで!」

などと親父に教えてくれるそうだ。

親父は既に重々承知だが、一応、

「そりゃあ、楽しみやなあ...」

などと調子を合わせているという。

今月、そんな昼飯メニュー表に変化があった。

というのも、その施設は曜日ごとに内容が偏る傾向にあり、例えば毎月曜日が魚料理なら毎火曜日は麺といった具合だ。

巨大病院の付属施設ということもあり、そもそもが入院患者用の食事である。

海上自衛隊カレーのように曜日感覚という意味合いもあるのだろう。

ただ、親父のように毎週決まった曜日に施設に通うデイケア利用者にしてみれば、毎回似たような内容の食事になってしまう。

親父は魚が好きなのだが、今までは中華と麺の多い曜日に当たっていた。

それがこの4月は麺が減って魚料理が増えたと大喜びしている。

そもそも俺の魚料理のレパートリーが少ないので、こうして魚の曜日が利用日にずれたのは親父にとってさぞ喜ばしいことのようだ。

とはいえ、俺も魚料理のレパートリーを増やさんといかんな。