毎日親父とよく話す。

雨でなければ毎日最低一時間の車椅子散歩。

加えて我が家の食事時間はフランス人並みに長い。

その間ずっと喋っているわけでもないが、毎晩約三時間かけてだらだら飲み食いしている。

ニュース番組やらスポーツ中継、追加の料理を作ったり、時に喋り、時に無言。

そうこうしている内に18時のBSフジ植野食堂と共に始めた晩酌があっと言う間に21時頃になる。

春以降であれば阪神タイガースのプレイボールと共に始まることになり、試合が延びれば食事時間も更に長くなる。

元来俺の晩酌開始は23時頃からだったのだが、親父の介護を始めて以来、俺も親父の食事時間に合わせることにしたのだ。

親父は一人で食事することができないので、どのみち介助で横に付いていなければならないのなら、いっそのこと俺も親父と一緒に食うことにしたわけである。

当初、明るい内から晩酌を始めるのにはかなり違和感があったが、慣れてみればこれはこれでいいもんだ。

朝の起床時間が早くなったという大きな恩恵もある。

毎朝四時には起きて洗面し、外に出て凛とした空気に当たり、親父を起こす時間まで一仕事する。

介護という大きな足枷はあるものの、俺はとても幸せな日々を過ごしていると思っている。