関西人の風物詩、というよりも阪急沿線住民の風物詩というべきか、この季節になると宝塚線はもとより、神戸線であれ京都線であれ電車内広告の目立つ場所に宝塚音楽学校の生徒募集の広告が登場する。

日本全国学校は多々あれど、募集要項の一つに容姿端麗とあっても社会的に非難を受けないのは宝塚音楽学校くらいだろう。

一応説明しておくと、宝塚音楽学校とは宝ジェンヌの養成機関であり、この学校を卒業する以外に宝塚歌劇団の団員として舞台に立つ道はない。

とても厳しい校則や伝統的な決まり事で有名だが、どこかO嬢の物語の館を連想させるところもあり、案外M女にはドンピシャの学校ではないかと俺は思っている。

麗人と呼ぶに相応しい短髪の先輩に廊下の道を譲りながら頭を下げる快感がそこにはある。

二年間の学費が120万円にプラスアルファなので、金持ちの家の娘しか入れないというわけでもない。

高校卒業後、三度の受験チャンスがあるようだ。

スターとしてデビューするかはさておき、将来の進路が何も決まってない容姿端麗のM女学生諸君はとりあえず合格したらラッキーの気持ちで宝塚音楽学校の受験を真剣にすすめたい。