俺があちこち出かけられないのはあくまで親父の介護のためであって、たまたまそういう時期にコロナ禍が重なったに過ぎない。
コロナがあろうがなかろうが、俺の生活に大した違いはなかったということになる。
こうしてあちこち出かけられなくなると懐かしの店々の味が思い出される。
それでも最寄りの駅前に行けばたいていの代用店はあるものだ。
そんな中、唯一最寄りではどうにもならないのが豚もつの煮込みである。
関東の居酒屋ではメニューにあって当たり前のこの一品を関西で食べようとするとかなり苦労する。
最近では焼きトンの店も増えつつあるが、煮込みまでは出していなかったりする。
俺がよく煮込みと焼きトンを食べに行ったのは天六のエルビスだが、今年に入って一度も行っていない。
この煮込みが食べたくて、先日、ついに初めて自分で作ってみた。
業務スーパーで冷凍豚モツが売られているのを発見して反射的にチャレンジしてみたのだが、これがあっけないほどにそれなりのレベルの煮込みを作ることができた。
以後、俺は定期的に煮込みを作り続けるだろう。
次回はハチノス(ホルモンの部位)なども加えてみようと思う。
味付けにしても適当に作ったところでそれなりに仕上がる料理だが、あれこれバランスを変えて自分なりの味を見い出したい。
最も、こういうことをやり始めると、以後新橋のまこちゃんなどで煮込みを食べても以前ほど舌が喜ばないかもな。
月島に煮込みの名店があると聞いたことがあるので、一度その店に行ってみたいものだ。