先日、ふと気付いたことがある。
晩酌しながら野球中継を見ていると、親父はバッティングのことをバッチングと言う。
「俺も老人になったらこんな言い方になるのだろうか?」
などと思いつつも、どこか微笑ましい発音だと思う。
と、オリンピック野球の決勝戦においてアメリカチームにオースティンという選手がいた。
親父はこの選手のことをオースチンと言う。
要するに親父は「ティ」という発音が全て無意識に「チ」に変換されてしまうのではないか?
そんな疑問がわいた。
真相を確かめるべく俺も少々意地が悪いと思いつつも、食後、
「久々に紅茶でも入れたるわ。レモンティーとミルクティーのどっちにする?」
と、訊いてみた。
そこで親父は答えたものだ、
「ほんなら、レモンチーもらうわ」
はぁ?とでも言いたげな親父の視線を受けつつ久々に腹の底から大爆笑したな。