先日、居間に降りてみると親父が、
「あ~い~う~え~お~」
「か~き~く~け~こ~」
と、発声しているではないか。
「ぱ~た~か~ら~」
にはたまに遭遇するが、五十音は初めてのパターンである。
「どないしたん?」
と訊ねてみれば、
「人名が出てこないので「あ」から順に思い出してる」
とのこと。
引き続き我が家には幸せな時間が流れている。
それもこれも金に余裕があるからだろう。
値上げラッシュで世間の多くは少なからず影響を受けているようだが、親父が、
「生まぐろの刺身が食べたい」
と言えば、値段気にせず近所のスーパーで買う程度の余裕はある。
遠出できない、旅行に行けないという二点を除いては、かなり幸せな日々だと言える。