親父との日々の散歩コースが主に三つある。

駅前コース、公園コース、そして堤防コース。

この時期に堤防のコースを散歩するとなかなか忙しいことになる。

というのも、じっとしてればいいものを、蝶の幼虫がなぜか堤防の道を横断しているのである。

動かずにはいられない習性なのか?

とにかく、大量の幼虫が横断したり、ド真ん中をノソノソ這っていたりと、大変なありさまだ。

そこは車は通行禁止だが、自転車に轢かれ、ランナーに踏まれして、あちこちで無惨なことになっている。

俺と親父はそんな危険な場所を這う幼虫をせっせと救っているわけである。

そんな彼らも無事にフ化を迎えたようで、昨日、堤防散歩コースに行ったら白や黄の蝶がたくさん舞っていた。

密林にいる蝶の大群とまでは言わないが、それはなかなか圧巻の光景であった。

この内の百匹くらいは俺と親父がせっせと救ったやつだろう。

たくさん舞って、存分に命を燃やすがいい。