親父との散歩の途中、いつもは素通りしている大型のペットショップに入ってみようということになった。

たくさんの小部屋に子猫やら小犬がいるのはTVで知っていたが、各部屋の子犬や子猫たちに向かって親父が、

「お~い」

と順々に手を振るのは全くの想定外だった。

微笑ましい光景ではあるが、客や店員の注目を集め、車椅子を押している俺の方がなんだが恥ずかしくなってきた。

親父は店内が気に入ったようで、俺に、

「あっちも」

などと言いながら結局隅々魚のコーナーまで見て回った。

まあ、俺にしてもちょっとした動物園気分を味わえたので、衆目を覚悟してまた店内に入ってみようと思う。