町中華飲みでは俺も黒帯を自負するが、過去最大の失敗を先日ふと思い出したので記しておこうと思う。

あれは確か高校生の時だったと思う。

夜中に腹が減って眠れず、午前三時まで営業している近所の中華料理屋に行った。

飯と麺の両方を食いたかったので、注文したのは忘れもしない五目麺とスタミナ丼だ。

ほどなく両品同時に着丼したが、それを見て俺は思わず、

「うっ...」

っと唸った。

というのも、飯と麺の上にそれぞれ同じ餡がかかっていたのだ。

一応スタミナ丼の中央には玉子の黄身が乗っているが、それがどうした。

スタミナ丼というからには豚肉と玉ネギを甘辛く炒めて隠し味にトウバンジャン少々、的なやつをイメージしていただけに、これでは味が全く同じではないか。

なぜ注文を取った時に一言言ってくれんのだ?

当時はバイクのローンがあったので、なけなしの小遣いで二品頼んだというのに、怒りに指先を振るわせつつも全て平らげたのを覚えている。

大いにむかついたのでその店からしばらく足が遠のいたが、いずれまた通うようになった。

そしてある日突然店が畳まれていた。

気が付けば近所の町中華もずいぶんと減ったもんだ。

せめて生き残っている店を応援してやりたいとも思うが、酢豚1,000円焼き飯750円などと言われると食いに行く気がしない。

さて、どうしたものか。