俺には年に四度、つまり春夏秋冬にそれぞれ一度しか会わない女性がいる。

知っている人は少数だろうが、俺が以前主宰していた当サイトの前身サイトで知り合った女性だ。

その関係も今年で三年目になる。

彼女は結婚しているのだが別に俺に溺れるわけでもなく、それでいて決して忘れることはない、そんな関係だ。

節度のある浮気と書けばおかしいかもしれないが、彼女にはそんな表現こそが一番相応しいような気がする。

それは俺たちが互いにSMの世界に身を置いていればこそ可能なことで、一般人に説明するのは難しい。

俺は気温の変化よりも、むしろ彼女と会うことで季節の訪れを感じる。

夏が来れば涼しげなワンピースで彼女は現れ、冬になればキャメル色のコートにバーバリーのマフラーを巻いてやって来る。

たまにしか会わないからこそ感情が何倍にも増幅され、その日の俺たちのプレイはまさに野獣と呼ぶにふさわしい。

懐かしいという程ではなく、けれども切ない。

お互いが視界に入るだけ息が荒くなってしまう、そんな春夏秋冬。

なかなか素敵な話だと思わないか?

shadow

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