親父の一風変わった巻き寿司の食べ方。

それは巻き寿司を一口では食べず、先に中の具だけを全て食べ、残ったドーナツ状の飯に付属の酢生姜を入れて食べるやり方。

本人曰く、

「一口で食べたら味が一緒になってわからへん」

確かに一理ある。

特に具だくさんの海鮮太巻きなどは一口でいくと贅沢なものを食べているという気にはなるが、

「美味い!」

というのとはまた違う。

とはいえ、細く切られた刺身をチマチマ一つずつ食う気にもなれないので俺は一緒にいくが、親父はこれも分解食いだ。

よって親父の太巻きはハーフサイズで十分事足りる。

俺が巻き寿司で一番好きなのは鰻ときゅうりの細巻き。

俗に言う、うなきゅう。

具は鰻ときゅうりだけなので素材の味がはっきりと感じられ、夏の暑い時期、多めのワサビを乗せて醤油で食うと清涼感と滋味のハーモニーが楽しめる。

特に冷酒に良く合う。

映画を観た帰りにデパ地下で買って、今夏もよく食ったな。

鰻きゅうに負けず劣らず好きなのがコースの〆によく出てくるかんぴょう巻きだが、大阪のスーパーでは全く見かけないのが残念だ。