会社を辞め、更には、以前より早く毎朝4時に起きているというのに、それでも一日があっと言う間に過ぎてしまう。

「会社を辞めたらかなり時間に余裕ができるやろな」

と、そんな期待した風には全くならなかった。

いくら稼いだところで収入は常に不足すると言うが、どうやら時間も常に不足するようだ。

とはいえ、俺の場合かなり贅沢な時間の使い方をしているので、足りなくて当たり前かもしれないが。

そんな時間の筆頭が新しい習慣となったオーディブル・ジョギングである。

本来であれば、太陽の下、外の空気を吸いながら芝生のある公園であれこれ運動したいのだが、介護もあってなかなかそうもいかぬ。

俺の親父は自力で立つことができないので、何かと世話が要るのだ。

そんなわけで、毎日、家の玄関でその場走りのジョギングを一時間行い、その間、amazonのオーディブルを利用して本を聴いている。

名付けてオーディブル・ジョギング。

運動にもなり、読書もでき、おまけに夕食も旨い。

まさに願ったり叶ったり。

会社勤めの頃には決して持てなかった時間の一つだ。

「絶対にたるんだ時間は過ごすまい」

そう思って会社を辞めたので、新しい習慣として真っ先に運動を取り入れたわけだ。

「さて、三日坊主になるか否か?」

などと思いつつ始めてみたが、今では一日の中でかなり楽しみな時間になっている。

ということはこのまま続きそうだ。

問題はオーディブルのコンテンツ。

毎日きっちり一時間聴くので、内容や著者に興味があっても短い本には触手が向かない。

反対に、収録時間が長いとそれだけ長い期間楽しめるので、レビューが微妙であっても買ってみようかと思う。

オーディブル会員であれば毎月1個もらえる無料コインを利用して真っ先に買ったのがチベット旅行記だ。

収録時間なんと36時間。

俺はそれを80%の早さで再生して聴いているので実質40時間オーバーとなる。

これすなわちオーディブル・ジョギング40日分ということだ。

おかげで連続テレビ小説のように毎日ストーリーを楽しみながら走れているので、こんな時代に生まれたこととAmazonには心から感謝している。