ドラマで関東人などが役柄で関西弁を話しているとネイティブな大阪人として違和感を感じることが少なくないが、それ以上に違和感を感じるのが祇園の芸子が話す無理矢理な京都弁だ。

途中までは標準語のようで、言葉尻に「~どすなあ」を付け足して無理矢理京都弁に仕立てている。

否定文のときは末尾が

「~やおへん」

とななる。

これに京都ではYes/Noの両方の意味を持つ

「おおきに」

の計三つだけでかなり強引ではあるが日常会話レベルの京都弁が話せる。

新人舞子見習い話す京都弁がこれに近いものであり、その違和感たるや著しい。

もっとも、つい半年前まではどこか地方の高校生だったはずで、いきなり他の土地の言葉を話せと言われても無理な話だ。

ここで京都弁とは言っているが、彼女たちの話し言葉は花街のみで用いられるもので、いまどき、

「~どすなあ」

などと喋る京都人は皆無ではないだろうが、ほぼいない。

この先百年経とうが舞子の仕事服が着物であることは絶対に変わらないのと同様、彼女たちがお座敷で、

「~じゃん」

などと喋ることも120%あり得ない。

それを伝統という。

最初はつたないながらも、頑張って伝統を紡いで欲しいと思う。