谷町六丁目にある居酒屋スタンドそのだにはチャーシューエッグスという一品がある。

ハムエッグでもなくチャーシューエッグでもなく、チャーシューエッグスである。

「ス」が一つ付いただけでがぜん言葉の響きが良くなる。

説明も要らんだろうが、要するに半熟の目玉焼きが二つ乗っているということだ。

俺が初めてチャーシューエッグなる料理を知ったのが、記憶が確かであれば八千代食堂という名の筑地にあった食堂だ。

場外の狭い食堂だったが、メニューは豊富だった。

あの店も豊洲に移転したのだろうか。

以来、チャーシューエッグないしチャーシューエッグスは家でも作るようになった。

ハムエッグよりだんぜん豪華に見えるのがよい。

そしてハムエッグより明らかに美味しい。

酒の肴にもいいが、ご飯のおかずとしても最高。

マッチョの激安チャーシューが買えた頃にはよく家で作ったものだが、最近ではマッチョも大人気になり激安持ち帰りチャーシューの販売を止めてしまったのは残念なところ。

ある程度の厚切りチャーシューで作ってこその一品なので、もう家では長いこと食べていない。

久々にそのだへ行くか。

スタンドそのだは昼間からやっている居酒屋なのだが、よくあるおっさん相手ではなく若者相手の店で、パクチー冷や奴等々他では見慣れないメニューも多い。

この店が家の近くでなくて良かったと思う。

もしそうなら休日に昼間から入り浸っていただろう。