緊急事態宣言も解除されたことだし、そろそろ何処かへ出かけてもいいだろう。

そう思って真っ先に出かけたのは万博公園。

読書やらあれこれ物事を考えるのにここより適した場所を俺は他に知らない。

万博公園についてはいずれまた詳しく述べる。

後日、次に向かったのは神戸元町にある丸玉食堂。

高校生の時に初めてこの店に訪れ、俺の食に対する興味が開花したといえる思い出の店。

もう立ち退いたかもしれないとドキドキしながら店を訪れたところ、何とまだ奇跡的に営業していた。

ご夫婦及び娘さんはいつも通りで、そこに悲壮感は全くない。

いつもと変わらぬ丸玉食堂がそこにはあった。

ただ違うのは高架下の並びの店が全て壊されただけ。

この日、豚足と手この羽先唐揚げで瓶ビールを飲みながら俺は悟った。

丸玉食堂は強制撤去されるまで営業を続ける腹だろう。

こうなると問題はいつ強制撤去されるかだ。

それは明日かもしれないし、来月かもしれないし、来年かもしれない。

「これが最後かもしれない...」

そう思いながら酒と料理を楽しんだ。

店を出る際、もう明日には死ぬかもしれない瀕死の親友の病室を去るような、そんな気持ちになった。

さて、あと何回行けるやら?

あるいは、先日が最後だったのか?