先日、この先親しくなるのかどうなのか、そんなボーダーライン上にいる男と初めて飲みに行った。
寒いので、
「おでんでも食うか」
ということになり、二人カウンターに座った。
俺がカウンター越しに店主に、
「熱燗とおでん適当に見つくろって」
と注文すれば、そいつも、
「俺も!」
といのこと。
まあ、ここまではいい。
問題は次だ。
こういうご時世であるので、おでんは一人前ずつそれぞれ別皿に盛られて出てきた。
そこでそいつがすかさず言ったもんだ、
「あ、こんにゃく要らんし!」
この瞬間、俺はドリフのように
「駄目だ、こりゃ...」
と内心呟き、その日の飲みも適当に切り上げた。
俺が厳しいのか?
否、違うやろ。
まあ、こんなことだから男友達が一人もいないのだろうな。
最も、欲しいとも思っていないが。
親友一人いればそれでいい。