最近、全国的に店舗数を増やしているらしい鰻の成瀬という店が隣の駅にも出店しているのを知り、鰻好きの俺としては気になって仕方がないので早速食べに行って来た。

サイトを見ると鰻の成瀬はとにかく徹底したコストカットによりブランド鰻の重を安く提供するというのが売りの店のようだ。

メニューを見れば鰻屋でよくある松竹梅の3ランクがあって、俺は一番高い2,700円の松と冷酒を注文した。

この値段で鰻一匹分なので、他店の約半値といったところか。

ご飯は大盛りにしてもらったが、これは無料サービス。

冷酒を飲みながら待つこと約10分、出てきたそれは重鎮国会議員が昼飯に食べてそうな立派な鰻重が出てきた。

このような本格的な鰻重を店で食べたのは人生二回目のこと。

一度目はM女に招待してもらって、東京タワーの下にある店で食べたコースだ。

店主が情熱大陸に出るような名店だそうで、古くは江戸の大名に食べさせていたらしい。

確か店の名は黒岩だったか。

で、俺の感想としては名人の焼く黒岩にしろ今回の成瀬にしろ、やはり鰻は家で食うに限ると改めて思った。

鰻というのはとにかく出来立て熱々が一番美味しいというのが俺の持論だ。

ところが店だと後半になる頃には鰻がお世辞にも熱いとは言えない状態になってくる。

こうなるとすぐに身が堅くなってきて、俺としては美味しいとは思えない。

「これ、ちょっとレンジでチンできたらな...」

そんなことを考えながら食べることになる。

そもそもが高い料理なので、少しでも美味しく食べたいと思うのは正常な庶民感覚だろう。

家であれば半身ずつ調理して皮目パリパリ、身ふっくらの状態で最後まで美味しく食べることができる。

といって何も難しいことをしているわけではなく、テフロンの利いたフライパンで皮面を焼き、後はレンジで20秒チンするだけ。

というわけで、次に鰻の成瀬に行く時は鰻半身の松1,700円ご飯大盛りを注文するとしよう。
これが俺にとっての最適解だ。