時代の流れで豆腐屋、八百屋、本屋...等々、昔からあった小売店が次々と店を畳んでしまった。

そんな中、比較的頑張っている小売り業界がある。

パン屋と自転車屋だ。

今回は後者について述べる。

何軒かは店を畳んだようだが、生き残っている店も複数ある。

長年今の町に住んでいて気付いたことがある。

閉店した自転車屋と生き残った自転車屋の違いだ。

それは実に単純なこと。

どこの自転車屋にもコンプレッサー式の空気入れがあるものだが、前者は空気一回入れるごとに10円請求し、後者は無料だった。

この十円の差が店の存続を左右したのだと俺は思っている。

「損して得取れ」とは商人に対する金言だが、前後タイヤの空気入れを無料にしたところで一体どれだけ損をしているというのか?

それを10円取るなどとは俺なら絶対にやらない。

一時が万事で、そんな店だからブレーキのゆるみを見て欲しいと頼めば500円取っていたのではないか。
消えて当然だろう。

先日、親父の脚がまだ何とか動いた時に買った電動三輪自転車のメンテを頼みに、それを買った近所の自転車屋に持っていった。

あれこれ15分ほどチェックしてくれたので一、二千円は覚悟したが、結局、無料だった。

近所にはASAHIという大型サイクルショップがあるが、俺が次に自転車を買い換える時はこの店にしようと内心決めたのは言うまでもない。