以前、数日だがとあるラーメン屋で製麺器を使った麺作りを手伝ったことがある。

そこでのエピソードを一つ。

営業分の麺を打ち終わり、ラーメン屋では珍しく麺のみの持ち帰り販売も行っていたので、次に麺の個別包装という作業がある。

打ち立ての生麺を透明の袋に入れて熱で口を閉じるわけだが、閉じる前に一個一個グラム数を計量する。

数値は忘れたが、例えば150から160グラム以内ならOK、そこから外れていれば不良品、という具合。

基準値ではない場合、口を閉じる前に麺を足し引きして数値を納める必要がある。

そこで俺の発した一言、

「165グラムなら少しサービスということで、何も不良品にしなくても良いのでは?」

それに対する答えはこうだ、

「もし最初に買った麺が165グラムだった場合、客にとってはその量が基準となる。

そうなると次に買った160グラムで量が少ないと苦情が来ることもあり得る。

だから多いのもダメ!」

なるほど、1mmも反論の余地がない。

「腑に落ちた」という表現があるが、俺の人生で最も腑に落ちた瞬間だった。

日本のほぼ全ての加工食品はこういう具合に出荷されているのだろう。

これぞJAPANクオリティー。

たとえば中国はどうか?

以前、上海空港の土産物売場で買った菓子を帰ってよくよく見てみれば賞味期限を一ヶ月過ぎていたので、推して計るべしだな。