数ある責めの中で最も基本的かつ効果的かつ応用的かつ高難度。

それが言葉責め。

言葉責めはその他ほぼ全ての責めとの組み合わせが可能なので、「俺は口べただから」などと言葉責めを軽視あるいは無視してしまうと、SMにおける深みが著しく損なわれてしまう。

言葉責めのバリエーションをいちいち挙げるのは面倒であり、また、馬鹿らしくもあるので基本的なパターンだけを書いておく。

1.羞恥心を刺激する(例:おまえの尻の穴丸見えだな)

2.イマジネーションを刺激する(例:もし○○○したらおまえは一体どうなる?)

3.叱責する(例:もっとしっかりしゃぶれ!!)

基本的にはこれら3パターンを状況に応じて使い分ければいい。

熟練の域に達すると、言葉責めのみで女性を絶頂に導くことも可能だ。

言葉責めが困難なのは、その場の空気を読む能力が必要になるから。

ただ闇曇に卑わいな言葉や質問を羅列するのは随分と間抜けな話であり、アダルトビデオにおいてそのようなシーンが散見される。

ほとんどの場合、その感性及びイマジネーションの点では主よりも奴隷の方が遙かに優れている。

よって、初めてのプレイにおいて間抜けな言葉責めをやってしまえば男性は内心で馬鹿にされ、あるいはしらっと見下されることもあり得る。

そうなると主としての地位は崩壊し、二度と彼女の姿を見ることはないだろう。

(多くの場合、女性の緊張や興奮により男性の間抜けな台詞に気付かないというのが現実だが、

その場の状況を一歩引いた状態から見ることのできる特殊能力を持つM女性だと即アウトだ。)

感性及びイマジネーションにおいて主は奴隷よりも遙かに劣っている。

このことを念頭に置き、言葉責めの達人になるには感性こそ重要視されなければならないと考える。

感性なきSMはただの狂気であり、感性なき主はただの暴君。

よって主は本を読みなさい、絵を描きなさい、空想の時間を持ちなさい、ということになる。

頭でっかちのカタブツではお互いが満足することはないだろう。

主は奴隷の高い感性を越えなければならない。

例え越えずとも、その努力をしなければならない。

感性抜きにしていくら言葉の具体例を覚えたところで、決して使いこなすことはできないだろう。

貴男が感性を備えれば、パートナー探しもさほど苦労はしない。

これは俺が明言する。

感性、感性、感性。

感性とはセンスの源であり、センスがスタイルを形成する。

そうして出来上がったスタイルがすなわちあなた流。

厳しい、甘い、邪道...

他人から何をどう言われようが、気にする必要はない。

マシンガンのような言葉責めもあれば、言葉少なにポイントを突く言葉責めもある。

絹のようになめらから言葉責めもあれば、烈火の如く荒々しい言葉責めもある。

それらを状況によって使い分け、女性によって使い分け、そして時には使わず、また使い、己の、そしてお互いの本能を満たすのだ。

それ全て感性。

再度言う、貴男は感性で圧倒的に負けている。

それは紛れもない事実だ。

その感性が最も如実に表れる責め、それが言葉責め。

 

最小限の言葉で最大限の効果。

これこそが言葉責めの真骨頂とも言えるが、そのためには相手の心理を読む能力も必要になってくる。

いわゆる読心術だ。

それにより核心を突き、あるいは一歩先を読んだ言葉責めを行うのだ。

 

言葉責めは話し方や声質も大いに問われることになる。

女性それぞれの好みの問題もあるので断言はできないが、概ね高音は嫌われ、低音が好まれる。

また、早口よりも少し遅めの口調が望ましい。

せっかくの台詞も、キンキンした早口だと効果半減ということだ。

声質は先天的なもので今更変えられるわけでもないが、意識すればある程度は低くして話すことも可能だろう。

言葉責めはあくまで低音のゆっくり口調が基本だ。

そして時に激しい口調でリズムを付ける。

 

全く言葉を発しない静の言葉責めも忘れてはならない。

沈黙は刃となり、鋭い責めとなる。

一言も発しないままに緊縛や責めを行えば、そこにはある種の不気味さが演出される。

言葉によって羞恥をごまかすことができず、また、主の精神状態を知ることのできない恐怖。

このようなスパイスは時に面白い。

要するに、何事も臨機応変。

それを司るのも感性だ。

各自大いに研鑽されたい。

 

shadow

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