痴漢されたい、という願望は女性単独でも比較的叶えやすい項目だろう。
多少露出度の高い服でも着て朝夕の満員電車にでも乗れば、かなりの確率であっさりと願望が実現するはず。
にもかかわらず、一旦俺のような男を通すということについては、そこには安心感があるようだ。
好き放題に触らせてやると、一部の男どもは電車を降りてからもしつこいのだそうだ。
まあ、俺はそんな時のボディーガード代わりというわけ。
といって何も男を追い払うようなことは必要なく、電車を降りたら女が俺の腕を組む、これだけでもう誰も寄ってこない。
安心感が保証されているがゆえにノーブラやノーパンで満員電車に乗り込むことも可能になる。
痴漢した女が下着を付けていなければ男もより大胆に指を入れてきたりする。
そこで女も軽く脚を開いてやれば駅に着くまでに達することもあるそうだ。
「このときの快感は経験した者にしか絶対にわからない」
とはあるM女の言葉。
まあ、確かにそうだろう。
単独で痴漢プレイに望むという場合、そこには最低限度のイヤイヤの演技も必要だ。
好きなように触らせているとしつこくなるとはM女の誰もが言うところ。
電車を降りてホテルに誘われるくらいなら無視すればいいが、待ち伏せともなると話は穏やかではなくなる。
何せ先方からはただでやらせてくれる淫乱女だと思われているので男のひつこさも半端ない。
よって、「声を出したりはしませんが、仕方なしに触られてます」的な演技が必要になる。
もし単独で大胆に痴漢されたいのであれば生活圏から外れた路線を選ぶべき。
平日に一日たっぷり女を調教する場合、前戯としての痴漢プレイもありだ。
触られまくってメスのフェロモン全快の女を責めるのもまた楽しい。
痴漢電車として何より有名なのは埼京線の先頭車両だろう。
地元の女性は絶対に先頭車両の先頭には乗らないと聞く。
何でも先頭車両に乗りそうなターゲットの女性を見つけたならばホームで待機している仲間同士が目配せし、女性を取り囲むようにして電車に乗るのだそう。
後はやりたい放題し放題というわけだ。
もし埼京線の先頭車両で痴漢に遭わなかった場合、あなたは世間一般の男から女と認識されていないということになる。
それくらいの路線だ。
痴漢の醍醐味の一つは日常の中の非日常だろう。
男と女がホテルに入ればセックスするのは当たり前。
それをトイレや階段でやればなお一層興奮するのは誰もが知るところ。
電車という空間はそれにプラスして衆人の存在がある。
一部の女が痴漢されて興奮するのも大いに理解できる。
痴漢されたいという願望を最も手っ取り早く叶えてやるならば、俺が触ってやればそれで事足りる。
しかしながら、これについては受け付けていない。
いくらお互いが同意の上であるとはいえ、他人から見ればあくまで俺は単なる痴漢であって、正義感の強い男に腕を捕まれる可能性はとても高い。
事情を説明すれば最終的には無罪になるだろうが、そこまでには想像以上の手間を要することだろう。
何より依頼者の女にも恥をかかせることになる。
俺はそのようなリスクは犯さない。
とんでもない美女から痴漢の依頼を受けるたびに、世の不思議を目の当たりにする思いだ。
「痴漢さん大歓迎!私のオッパイの感触を思い出して後でオナニーして頂けたらとっても嬉しい!!」
のだそうだ。
この世に舞い降りた天使としか言いようがない。
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