親父が始めた付き合いを俺が絶つわけにもいかず、未だ訪問販売のヤクルトを買い続けている。

受け取りの際、配達員のヤクルトレディーが何かと新商品等を売り込んでくるのだが、そもそも俺はヤクルトそれ自体どうもいいので、毎回ぶっきらぼうに断っている。

しかしながら先方もめげずにあの手この手で、先日などは、

「今日は皆さんにハンドローションを一塗りして回っています」

と、きたものだ。

真冬でもあるので、ここでカサカサの手でも差し出そうものなら営業トークが始まるのだろう。

ところが残念、俺の手のひらは一年中しっとりスベスベなので、今さらハンドローションなど塗る必要がない。

というのも、俺の手のひらには定期的にミンクオイルが塗り込んであるので、真冬に毎日三度素手で洗いものをしてもイイ感じの状態が保たれている。

なぜミンクオイルかとえばスキンケアを意識してのことではなく、革ジャンや革ブーツの手入れのたびに手にオイルが浸透し、結果的にスベスベになっている。

人間、日々の合間に何も考えず「ボケ~」と過ごす時間もまた必要だと思うが、俺の場合それが靴磨きなわけだ。

残念だったな、ヤクルトレディー。

注:執筆時とアップ時は必ずしも一致しない。当記事は12月に書いたもの。