我が○○家の祖先の話については既に一通り聞いたものと思っていたが、先日の晩酌において、

「おじいちゃんのあだ名はきんときやった」

と、突然の親父の発言であった。

俺はたいそう驚いて、

「きんときって、あのきんときか?」

と、間髪入れず問い直した。

要するに、きんときとは金時であり、坂田金時のことである。

戦国時代の猛将で、幼少の頃の名前は誰もが知る金太郎である。

何でも祖父はかなりブイブイいわせていたようで金時なるあだ名が付いたらしい。

クラシックレコードを聞きながら英字新聞を読むようなインテリである一方、陸王と呼ばれていたハーレー・ダヴィッドソン風の国産バイクを乗り回し、早死にして祖母がめちゃくちゃ苦労した...等々の話は聞いたことがあったが、あだ名が金時とは初耳だ。

俺の名前がこれまた戦国時代の猛将であることもこれで合点がいった。

とはいえ、祖父の子である俺の親父は至って真面目で温厚な性格である。

その子である俺はといえば、金時と親父を足して二で割ったような中途半端な立ち位置といえよう。

男の人生、どうせなら思い切り金時サイドに振れてみたかったようにも思うが、戦国時代でもなし、そうなればヤクザにでもなって今頃刑務所の中か既に死んでいたかもしれない。

金太郎は幼少の頃からマサカリを担いで熊をブン投げていたというが、俺の骨格が良いのと精力過多なのは金時ゆずりかもしれんな。