駅前にある粉もんの店がとても繁盛している。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそばの持ち帰り専門店なのだが、昼夕ともなれば毎度の人だかりだ。
が、俺は一度も買ったことがない。
というよりも、そもそも買う気がしない。
昔、俺の通っていた中学校の正門前にたこ焼き屋があって、当時は１２個入りで１００円だった。
以前大阪府下でよく見かけた店舗と言うよりも全く普通の民家の軒先で焼くスタイルの店である。
１００個１０円やら８個１００円という店なら他にもあったが、たまたま地域最安値店が門前にあったわけだ。
当然のごとく三年の間に俺はそこのたこ焼きを食いまくった。
俺の中ではいまだに当時の感覚が残っていて、よってたこ焼きとは１２個１００円がスタンダードであり、昨今の８個４５０円などとても許容できるものではない。
たまに学校帰りの高校生がたこ焼きをつまんでいるのを見るが、たこ焼きと同様に小遣いの金額も相当上がっているのだろうな。
たこ焼きの値段を見るたびに隔世の感を禁じ得ない今日この頃。
