ここ十数年の間、明石屋さんまを初めとする関西系芸能人の東京進出で大阪弁がすっかりメジャーになった。
現在CMなどにおいても意図的に大阪弁あるいは大阪を強調している作品は多い。
それらの中でも俺が好きなのは赤井英和の「芯から図太いホープの男」だが、彼もまた大阪弁をメジャーにした一人だ。
大阪弁というと、温かみのある言葉、柄が悪い、感情にストレート等々いろんな表現がされるが、それが意外にSM向きの言葉であると気が付いたのは最近のことだ。
俺は関西在住ということでSMの相手も関西圏の女性が専らだったが、一年程前に東京からわざわざ関西の大学に進学してきたM女とSM的関係を持つようになった。
その辺の事情はストーリー的に面白いものがあるのだが、本論とは関係ないので割愛させて頂く。
とにかく彼女はプレイにおいて粘っこい大阪弁で責められることを好んだ。
ここで参考までに東京弁と大阪弁の比較を少し書いてみよう。
「もうこんなに濡れてるじゃないか」 「もうこんな濡れとるやんけ」
「はやくパンティーを脱ぎなさい」 「はよパンティー脱がんかい」
「オチンチンをしゃぶりなさい」 「チンポしゃぶれや」...等々
雰囲気的に、東京弁には「...」、大阪弁には「!!」を付けたくなる。
するとこうだ。
「はやくパンティーを脱ぎなさい...」 「はよパンティー脱がんかいっ!!」
こうして書いただけでもその違いが随分と出る。
東京弁はあくまでご主人様という感じだが、大阪弁はそれを通り越してレイプの雰囲気さえ漂わせている。
実際に発声すれば、それは更に際立つ。
そんな威圧的なところがM女の心に一層強く響くのかもしれない。
それに大阪弁の方が遥かに猥褻に聞こえる。
SMビデオで関西モノが関東モノよりも遥かにいやらしく感じるのは、監督の腕の違いではなく責め手が単に大阪弁であるというこの一点に尽きる。
傍観者でさえそう感じるのだから、実際に言葉を浴びせられているM女の感情はいかばかりのものか。
「お前、オメコもっと締めなあかんがな。ほら、キュッと...そやそや。脚ももっと開けや」
うーん、やらしいな。
SMの経験を積めば積むほど言葉の大切さというものが身にしみて分かってくるし、実際「言葉責め」の上手い下手がプレイに多大な影響を及ぼす。
ある程度の縛り方など一日でマスターできるし(事実、その手のセミナーは多い)、野外露出にしても極端に言えば女性の服を剥ぎ取り屋外へ放り出せばそれで事足りる。
しかし言葉責め、あるいは会話はどうか?
これは一朝一夕にはいかないし、「SM言葉責めセミナー」など聞いたこともない。
最近、ちょっとばかり縛れるから、ちょっとばかり小道具を持っているからといってご主人様を名乗りたがる人が非常に多いし、そんな人々に対してM女からのお嘆きの声をよく聞くが、ここでM女性の皆さんに一つアドバイスしておこう。
調教師としての技量を判断するには、言葉責めをしてもらうのが一番分かりやすい。
その時の愛液の分泌量と調教師のレベルは見事に正比例することを俺が保証する。
言葉責めというのは、ほぼ全てのプレイにおいて直接的間接的に絡んでくるので、これがある程度できないようでは話にならないのだ。
もしも言葉責めができない、あるいはしてもらっても全く濡れないようなら、技術的にはあまり期待しないほうがいい。
なんちゃって女子高生ならぬ、なんちゃってご主人様というやつだ。
逆に言葉だけでイッてしまうようなら、相当の腕前を持っていると判断して差し支えない。
言葉責めというのは体に触れなくてもできるし事前の電話でも可能だから、このことは多いに活用して欲しい。
俺もその一人だが、プライドを持っている調教師というのはクリトリスやヴァギナ以外で如何にしてM女性を満足させるかということにこだわりを持っているものだ。
逆に言えば、女性なら誰でもが持っているそれら性感帯でしか満足させられないようなら、それはSM調教師ではなくただの一般人だ。
言葉だけで、状況だけで絶頂に導いてこその調教師なのだ。
不感症でもない限り、クリトリスを弄ればイクのは当たり前である。
そんな中にあって言葉責めというのは重要な位置を占めるが、より威圧的かつ猥褻な大阪弁を自由に使いこなせる関西系調教師は他府県の方々に比べて一歩も二歩も有利である...
と、俺は勝手に思っている。
もし関西系調教師に手なずけられているM女性が他府県の調教師とプレイした時、どういう風に感じるだろうか?
少なくとも言葉責めにおいては物足りなくなるのではないか?
あまりに訛りの強い言葉で責められてもピンとこないだろうし、京都に代表されるようなおっとりとした口調ではいまいち気分も乗らないだろう。
ちなみに俺は言葉責めにおいて大阪弁と標準語を使い分けている。
全国のM女性の皆さん、関西系調教師の言葉責めを経験せずしてSMを語るまじ。
特にハード系が好きな女性には、大阪弁の恐怖はたまらないものがあるだろう。
またソフト好みの方もねちねちした大阪弁でいたぶられる快感を、是非一度は経験して頂きたいものである。
shadow